【セミナーレポート】FSDi Seminar Vol.2 教育価値創造セミナー【2026.05.22 開催】
SEMINAR REPORT
教育業は教育を変えられるか。
教育業が描く、教育現場と新たな共創。
「教育価値創造セミナー」を開催いたしました。
一般社団法人未来社会デザイン機構(FSDi)は、5月22日に「教育価値創造セミナー」を開催いたしました。今回のセミナーでは、東武トップツアーズ株式会社より教育事業推進部の村見 拓一氏および栗田 利久氏に基調講演をいただきました。VUCA時代における公教育の危機から、その突破口となる「探究学習のパラデイムシフト」、保持国が巨額の予算を投じる「N-E.X.T.(ネクスト)ハイスクール構想」の全貌にいたるまで、これからの教育事業のあり方を徹底的に深掘りする有意義な時間となりました。
当日は自治体関係者、教育関係者、民間パートナー企業の皆様など、会場およびオンラインを含め多くの皆様にご参加いただきました。
セミナープログラム概要
現場を知り尽くしたお二人から、これからの時代に必要な教育価値の創造について、以下の3つのアジェンダに沿って具体的な事例を交えた提言がなされました。
セミナーのハイライト
旅行業における教育事業の変遷と現在地
過去の「規律と訓練」や「物見遊山」の観光から、現代は「探究学習・価値創造」へとコア価値が完全に移行しています。東武トップツアーズが実践する先進事例として、以下のユニークな探究プログラムが紹介されました。また、少子化に伴い従来の「学校ごとの個別発注」は限界を迎えており、教員の負担軽減と教育品質担保のために「公費負担×自治体一括発注」への転換が急務であるというリアルな課題も提示されました。
- 浦幌(北海道)・妙高(新潟県)・墨田区・恩納村(沖縄県):地域のリアルな社会課題に対し、地元のプロ(大人たち)と高校生が共創パートナーとして真っ向から挑むプログラム。
- 大阪・関西万博との連動:「いのちの遊び場 クラゲ館」テーマ事業プロデューサーである、STEAM教育家の中島さち子氏と新しい教育・学びの展開。
旅行業界が切り拓く、教育の新たな可能性
2040年には労働力が2,700万人消滅し、地方インフラの維持が困難になるとされています。AIが台頭する正解のないVUCA時代において、最も価値が高いスキルは経済産業省のデータでも示されている「問題発見力」です。自ら問いと仮説を立てる能力こそが探究の本質であると強調されました。
現在、首都圏の公立高校で定員割れが続出する一方、この「2040年型教育」へシフトした私立高校が倍率3倍の大人気となっている現状からも、公立高校の教育改革は待ったなしの状況です。
N-E.X.T.ハイスクール構想が描く、これからの教育事業
令和7年度補正予算で2,955億円が投じられる文部科学省の目玉事業「N-E.X.T.ハイスクール構想」についての解説が行われました。少子化や労働力不足に対応するため、都道府県に基金を設置し、公立高校の改革を先行支援するものです。本構想では、以下の3つの「改革先導校の類型」が設定されています。
- 類型1(アドバンスト・エッセンシャルワーカー等):専門高校等での実学とDXの融合、課題解決能力の獲得。
- 類型2(理数系人材):大学等と連携した文理融合の学び、STEAM教育・データサイエンスの高度化。
- 類型3(多様なニーズ):中山間地域や離島、不登校特例校等を対象とした遠隔教育(ICT)や地域資源の活用。
これからは「提言で終わる模擬学習」ではなく、「実際の地域・経営課題に挑み、社会実装までを体験する次世代伴走モデル」への転換が必要であると語られました。
すでに高校生が「食材ロス削減 of メニュー開発」や「伝統工芸品の海外マーケティング」に取り組み、ビジネスにブレイクスルーをもたらした具体的な実績が紹介されました。
まとめ:課題をみつけ、解決するための「共創」を目指す
今回のセミナーを通じて、これからの時代を生き抜く子どもたちに必要なのは、単なる知識の詰め込みではなく、「自ら問いを立て、地域や社会のリアルな課題に大人と共創しながら挑む力」であることが改めて共有されました。
N-E.X.T.ハイスクール構想は公立高校の強力な追い風となる一方、都道府県や学校現場の事務負担は膨大になります。その成功には、外部の専門的な知見や既存のプラットフォームを積極的に活用することが不可欠です。
当機構(FSDi)は、東武トップツアーズ様が持つ国内131支店・海外13か所のネットワーク、および自治体・パートナー企業・スタートアップ等の知恵を結集できる共創プラットフォームです。今後「正解のない問い」に能動的に挑む探究モデルの普及を推し推め、持続可能な地域創生の伴走支援に全力で取り組んでまいります。
当機構は、2026年度内はすべての会員区分において「年会費無料」を実施しております。会員専用マッチングシステムや分科会へのご参画を含め、地域の未来を共にデザインする皆さまのご入会を心よりお待ちしております。
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